ALSと共に
得られる社会的支援と相談窓口
社会資源の活用について
わが国には私たちの生活を支えるさまざまな社会制度があり、その基本理念は憲法25条にある「基本的生存権」の保障にあります。病気や身体障害、高齢、児童、生活困窮などによって生活障害を抱える人びとには、それぞれを対象とした福祉や医療・公衆衛生などに関する法律が定められて社会生活支援のための施策が実施されています。ALS患者さんの場合には、医療(国民・社会)保険法、年金(国民・厚生・共済)法、介護保険法(40歳以上の場合)、身体障害者福祉法、障害者自立支援法、(平成17年9月成立、平成18年4月施行)難病対策大綱などがあり、病状や身体障害の程度によってそれらの施策を利用出来ます。
これらの、法・施策やそれに携わる職員・専門職・ボランティアなどを総称して社会的資源と呼びます。制度などの公的なサービスをフォーマルサービス、ボランティアやALS協会などの自主的サービスをインフォーマルサービスと呼びます。症状や障害に合わせて、社会資源を有効に活用して生活をより豊かなものにできますし、ALS患者さんにとって不利・不満な点は改善を求めていきましょう。ここに記述したものは平成17年10月現在のものです。その後改定されたり、「障害者自立支援法」の施行などにより福祉サービスの内容が変わることが見込まれますので、市町村の担当課に詳しく尋ねてください。
社会資源活用の流れ
1.ALSの症状でないか心配なとき
- かかりつけ医に相談する
- かかりつけ医がいない時やセカンドオピニオンを望むときは、地域の保健所などの難病担当保健師に相談する。
- (神経)難病医療ネットワーク施設に相談・受診する
2.ALSと診断を受けたら/いろいろと療養相談したい
- 特定疾病医療費助成の手続きをする
- かかりつけ医・保健所等の難病担当保健師に相談する
- ケアマネージャーに相談(介護保険利用者)
- 日本ALS協会・同支部・在宅療養患者家族に相談する
- 日本神経医療ネットワークなどの相談事業などを利用する。
3.医療費はどうなっているの
- 特定疾病医療費助成を利用する
- 高額療養費の還付制度を利用する
- 身体障害者手帳で障害者医療費助成制度(重度障害者医療証等)を利用する
- 生命保険の入院給付金など(輪)を利用する
4.身体が不自由になってきた/在宅サービルを受けたい
※年齢・障害の度合いによって変わります。身体が不自由になってきたら主治医・保健師・福祉事務所等に相談の上、身体障害者手帳の申請をします。
▼40歳未満の方
- 身体障害者手帳がある ⇒
・(支援費制度)自立支援法を利用する
- 身体障害者手帳に該当しない ⇒
・難病患者等居宅生活支援事業を利用する
- ボランティアなどを利用する
▼40歳以上の方
- 介護保険が受けられる ⇒
・介護保険申請によりサービスを受ける
・身体障害者手帳1・2級の場合は介護保険にないサービスや足りない分は(支援費制度)自立支援法を利用する
- 介護保険が受けられない ⇒
・難病患者居宅生活支援事業を利用する
- ボランティアなどを利用する
5.住宅を改修したい/福祉用品・医療機器を借りたい
▼40歳未満の方
- 身体障害者手帳がある ⇒
・身体障害者手帳の等級により日常生活用具・補装具を利用する
・難病患者等日常生活用具給付事業(意志伝達装置・パルスオキシメーターなど)を利用する
- 身体障害者手帳に該当しない ⇒
・難病患者等居宅生活支援事業を利用する
- ALS協会等のサービスを利用する
▼40歳以上の方
- 介護保険が受けられる ⇒
・介護保険申請によりサービスを受ける
・足りない部分や介護保険にないサービスは身体障害者手帳の等級により日常生活用具・補装具を利用する
・難病患者等日常生活用具給付事業(意思伝達装置・パルスオキシメーターなど)を利用する
- 介護保険が受けられない ⇒
・難病患者等日常生活用具給付事業を利用する
- ボランティアなどを利用する
在宅での呼吸器の利用はどのようにするか ⇒
・医療保険により病院からレンタルされる
住宅を改修したいが給付制度はあるか ⇒
・介護保険制度を利用する
└→介護保険で対応できない分は身体障害者手帳を利用する
6.仕事の休業保障は…/手当や税金の控除は…
- 手当 ⇒
・心身障害者福祉手当・特別障害者手当重度心身障害者手当・児童育成手当等
- 税金の控除、交通運賃割引等 ⇒
・身体障害者手帳による税金の控除、運賃割引を利用する
- 会社を長期に休む、退職する等の休業保障等はあるか ⇒
・傷病手当金・雇用保険・障害年金・生活保護・生命保険等を利用する
7.長期入院・入所したい
- まずかかりつけ医に相談し、現在、治療が必要か否か、また今の症状で施設が良いか病院が良いかを相談・確認する
- 病院に入院希望の場合は、かかりつけ医に紹介してもらうか、保健所・福祉事務所・ALS全国医療情報ネットワーク施設・(神経)難病医療ネットワークの難病医療専門員等に相談する
- 施設入所希望の場合は
⇒ 介護保健施設についてはケアマネージャーに相談する
⇒ 身体障害者施設については福祉事務所に相談する
より詳しくは日本ALS協会発行の「新ALSケアブック」をご参照ください。
